単組・産別

2015.3.13
単組は「単位組合」の略称。一つの企業に所属する組合員で構成されることから「企業別労働組合」とも呼ばれる。「産業別組織」(産別)は同一産業の分野で単組が結集したもの。
単組と産別で補い合って、より良い職場づくりを

  同じ会社で働く労働者が集まった組合を「単組」と言います。単組の役割は、組合員の意見を集約して、職場環境や待遇など労働条件の改善について、会社側と交渉を行うこと。職場の状況を深く理解しているため、企業経営環境が変化したときの対応や企業特有の制度についての意見・提案にきめ細かく対応できます。
 産業別組合は、同じ業界や業種の企業別組合(単組)が集まって構成された連合体です。単組の活動だけでは解決できない、各産業全体の政策・制度の課題や賃金・労働時間の改善に取り組みます。
 

 単組だけの活動では企業の枠内での発想・視野に留まってしまう懸念がありますが、産別に加入することで、同じ業界・業種の他企業の状況が把握しやすくなり、組合活動の幅が広がります。また単組は、産別の主催する研修やセミナーに参加して人材育成を行うことも可能です。不当労働行為などのトラブルがあった場合には産別の顧問弁護士や上部団体に相談して対策を立てることもできます。さらには、産別のスケールメリットを活用した、一般的なものよりもお得な共済制度を組合員が利用できるようになることも、単組が産別に加入する大きなメリットといえます。
 
 単組は組合員一人ひとりに寄り添った細やかなケアを行い、各企業特有の制度を改善する一方で、産別や連合などの上部団体と連携して、より幅広い活動を行っていく。単組と産別はそれぞれの利点を合わせることで、より強固な体制で組合活動を行うことができるのです。

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