労働三権

2015.5.15
労働者の基本的権利のことで、団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)の三つを言う。労働者が経営者と対等な立場で労働条件等を交渉できるよう法的に保障するもの。
労働組合の活動を保障する、労働三権の正しい理解を広めよう

 労働三権をひと言で記すと、それぞれ下記のように言い表わせます。
  ・団 結 権……労働者が、労働条件の維持・改善のために団結する(労働組合をつくる)権利。
  ・団体交渉権……労働者が労働条件について、団結して経営者と交渉する権利。
  ・団体行動権……労働者が団体で行動し、ストライキなどの争議行為を行う権利。
 
 労働三権は、日本国憲法によって保障された労働者の基本的権利です。日本国憲法の三本柱(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)のうち、基本的人権の尊重に含まれるものであり、一部の公務員を除き、すべての労働者に与えられています。日本国憲法制定前の日本では、労働運動は国家によって弾圧されていましたが、戦後の法改正により労働者の権利は保障され、労働運動が合法化されました。

 
 労働三権を具体的に保障するために制定された法律を「労働三法」と言い、労働組合法・労働関係調整法・労働基準法の三つからなります。労働三法によって労働組合の活動は法により保障され、ストライキなどで企業に損害が出た場合も、組合員が賠償請求されることはありません。一方で、労働組合に属さない者が起こした、正当な争議行為以外で生じた損害については、関与した者は厳しく罰せられます。
 
 現在、労働組合の組織率は過去最低を記録しており、その要因のひとつとして、増え続ける非正規雇用者の組織率の低さがあげられます。非正規雇用者の労働三権は有名無実化している職場も多く、ブラック企業問題の温床になっているのが現状です。労働組合の今後の役目として、非正規雇用者を含めた労働者の権利向上に努めるとともに、労働者が自身の持つ権利を理解するきっかけをつくり、労働三権の大切さと存在意義を伝え続けていくことが重要です。

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