「妊娠したら解雇された」「会社に育児休暇の規定はないと言われた」「妊娠中に残業や重労働をさせられた」といった「マタハラに該当する被害を受けたことがある」と答えた女性は、妊娠・出産経験者の4人に1人、25%にのぼります(2013年5月「マタニティハラスメントに関する意識調査」連合調べ)。
日本には「妊娠したら仕事は辞める」という“固定観念”が根強く、実際に6割前後の女性が妊娠や出産を機に仕事を辞めています。
しかし、「妊娠したから仕事を辞めなくてはならない」という考えがあること自体が差別です。妊娠を理由に自主退職に追い込んだり、無断で部署を変えたりするのは法律違反であることを認識する必要があります。同時に、残業や夜勤、休日出勤の拒否や、育児休暇の取得を保証するなど、母子の健康を守るための法律はさまざまあり、男女雇用機会均等法や労働基準法などの規定を知ることも大切です。
一方、マタハラがなくならない背景の一つに職場の環境や働き続ける仕組みが十分ではないという現実を指摘することができます。働きやすさについては、まず働く仲間の妊娠・出産に際して周囲の協力や理解が必要で、そして働き続ける仕組みづくりについては女性の退職は会社の損失であることを理解してもらうことが必要でしょう。男女共同参画の推進が社会全体の課題である今、マタハラ根絶の取り組みは労働組合の大きな役割の一つ。みんなでフォローし合い、女性が生き生きと働ける職場・社会をつくっていきましょう。
連合は職場のマタニティハラスメントを減らすため、『マタハラ手帳』を作成・配布しています。ダウンロードは連合ホームページから。
(URL:http://www.jtuc-rengo.or.jp/gender/matahara/index.html)