労働組合への加入方法である“ショップ制”は、主にユニオンショップとオープンショップに分けられます。ユニオンショップとは、雇用された労働者について特定の労働組合への加入を義務付けており、組合をやめると同時に会社も解雇となる制度です。日本企業の半数以上は、このユニオンショップ制を導入しています(厚生労働省「労働協約等実態調査」より)。一方、オープンショップとは、雇用と労働組合への加入がリンクせず、組合に入るかどうか、労働者自身が選択する制度です。
ユニオンショップ制は、入社時に組合への加入を義務づけているため、組織拡大がしやすいことがメリットとして挙げられます。また、労働組合が特定のイデオロギーに左右されず、健全な組合活動ができることも、ユニオンショップ制のメリットと言えるでしょう。反面、労働組合への理解や知識が乏しいまま組合員となってしまうため、組合員の活動意欲を高めることが困難となる場合があります。
これに対し、オープンショップ制の組合員は、労組の活動意義に同意したうえで加入しています。また、組合員をやめた場合でも解雇とならないため、労働条件などの処遇に影響しないことがメリットとして挙げられます。しかし、雇用と組合への加入がリンクしていないため、組織拡大がうまくいかないことが課題となります。組織拡大ができなければ、労組が労働者を代表する地位を維持することが難しくなってしまうのです。
有意義な組合活動を行うためには、自分自身が所属する組合のショップ制のメリット・デメリットを把握したうえで、組合活動の活性化や組織拡大に努めることが大切です。たとえば、ユニオンショップ制ならば組合員の意識を高めるための取り組みを、オープンショップ制ならば、組合のPRや組拡のための情報発信を活発化させるような取り組みを行うとよいでしょう。