労働法とは、労働に関する法律の総称で、特に根幹となる3つを労働三法と呼びます。労働法には、「最低賃金法」、「労働契約法」、「男女雇用機会均等法」などの法律も含まれます。
労働三法の基本理念である「労働者の生存権」は、憲法第25条で定められた「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が由来です。労働三法は、労働三権などの労働者の権利を保障し、対等な労使関係を実現することで、労働者の生活を支えるための法律です。労働組合の活動は労働三法によって保障されており、また労働組合は労働三法を遵守させる役割も担わなければなりません。
労働法の適用を受ける労働者は、「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者(労働基準法第9条)」と定義されているため、パート・アルバイトでも労働法の保護の対象に含まれます。しかし、多くの若者が「労働者は法律で守られている」という事実を十分に理解していないため、ブラック企業などの問題に不安を抱える若年層が多い現状があります。そのため、労働組合には、若い世代が労働法を学ぶ機会をつくっていくことも求められます。働く人々の生活を守るためにも、労働法の周知に向けた積極的な活動を展開していきましょう。
<労働三法>
・労働基準法 | … | 労使が守るべき労働条件の最低基準を定めた法律。賃金、労働時間、休暇などについて定めている。労使はこの基準を守るだけでなく、改善に向けて努めなければならないと定められている。 |
・労働組合法 | … | 労働者が労働組合をつくり、会社と対等な立場に立って、労働条件をより良いものにするために活動することを保障する法律。労働組合、争議行動、労働協約などについて定めている。 |
・労働関係調整法 | … | 労使間の労働争議を予防したり、解決したりするための法律。斡旋、調停、仲裁、争議行為を制限することを禁止している。 |