日本の労働組合はおもに企業別組合(単組)、産業別組合(産別)、ナショナルセンターの3層で構成され、ナショナルセンターが全国中央組織として全国の産別を束ねています。日本では、連合が最も加盟組合員数の多いナショナルセンターで、2015年12月時点で682万人の組合員が結集しています。
ナショナルセンターは、産別や個々の単組の働きかけでは解決が難しい課題に取り組み、労働組合を一体的に推進する役割を担っています。
例えば、労働者・生活者を代表する立場から、政策・制度についての提言を行い、政府・政党に働きかけをします。労働者全体の処遇や労働条件に関する方向性を打ち出し、春闘や最低賃金の引き上げに向けて働きかけるなど、労働条件や環境改善に取り組んでいます。さらに、安心して働き、暮らせるために、平和運動や自然災害の被災地・被災者支援などの社会貢献活動にも取り組んでいます。
また、これらの活動を継続するための基盤となる、労働組合づくりや組合活動の拡大・活性化の支援、労働問題に関する情報の発信や周知などの広報・教育活動もナショナルセンターの重要な役割です。
ナショナルセンターがすべての労働者の代表となって社会的な課題に対応することで、単組や産別が取り組む課題を、より根本的な部分から解決へと促します。そのため、産別や単組の役員・組合員もナショナルセンターの取り組みを深く理解し、自らの運動に反映させていくことで、活動の質を高めることが大切なのです。