カシオ関連労働組合連合会/メンタルウェルネストレーニングセミナー

2017.4.18【現場レポート

組合員たちの心の健康を守るため
メンタルウェルネストレーニングセミナーを開催

傘下単組の組合員同士、また、外部組織の方々との交流を深めるために、さまざまなイベントを企画・開催しているカシオ関連労働組合連合会。今回は、「メンタルウェルネストレーニングセミナー」について、自ら講師を務める事務局長の熊谷氏にお話を伺いました。

 
― 「メンタルウェルネストレーニング」。聞きなれない言葉ですが、どのようなものでしょうか?
熊谷:
 工学博士であり、脳波研究の第一人者である志賀一雅氏が考案した、メンタルヘルス疾患を予防するためのトレーニングです。

講師を務める熊谷氏

 同じ物事でも、それをストレスと感じる人と感じない人がいますよね。メンタルウェルネストレーニングは、呼吸法やイメージトレーニングなどのプログラムを通じて、“なるべくストレスを受けず、いつでもリラックスできるよう脳を訓練する”というもの。ストレス耐性を高めるだけでなく、仕事や勉強の効率を上げ、モチベーションの向上を促す効果も期待できます。
 
 
― 熊谷さんが、メンタルウェルネストレーニング指導者の資格を取得したきっかけを教えてください。
熊谷:
 ある方からいただいた名刺に、「メンタルウェルネストレーニング指導者」という肩書きが記されていたのがきっかけです。「何の資格だろう?」と気になり調べたところ、メンタルヘルス疾患予防のノウハウが学べるとわかり、興味を持ちました。
 実は私自身、入社3年目にパニック障害になった経験があります。そのときに実践していた治療法と、メンタルウェルネストレーニングで行うプログラムが同じだったのです。その当時、社内でもメンタルヘルス疾患を原因とした休職者が増えてきており、「組合として何かできないだろうか…」という思いから、組合でセミナーを開催するようになりました。
 
― カシオ労連だけでなく、外部でもセミナーを開催されていますね。

メンタルウェルネストレーニングの一例

熊谷:
 上部団体であるJAMの電機部会で、カシオ労連の取り組みとしてメンタルウェルネストレーニングセミナーを行っていると紹介したところ、「うちの組合でもやってほしい!」と声を掛けていただけるようになりました。今ではJAMに加え、連合三多摩に所属する組合でもセミナーを実施させてもらっています。名古屋、三重などの東海地域や、長野などから呼んでいただくこともあるんですよ。
 最近、メンタルヘルス疾患の問題を抱える企業が増えており、相互扶助の精神から少しでも力になれればという思いで引き受けていますが、他の組合で講師を務めることは私自身勉強になりますし、楽しみながらやらせていただいています。
 
 
 
― 参加者からは、どのような声があがっていますか?
熊谷:
 一番多いのは、「初めて知った」という声です。メンタルトレーニングなんて、聞いたこともなければ経験したこともない人がほとんどですから。セミナーで行うトレーニングは、簡単かつ手軽にリラックスできるものばかりなので、「日常生活で取り入れていきたい」、「同僚や家族、友人にも教えてあげたい」などと言ってもらえます。
 
― 組合としてセミナーを開催し、得られた成果や効果はありましたか?
熊谷:
 メンタルヘルス疾患の予防につながっているかどうか計測はしていないので、数値的な成果はわかりませんが、参加者から「楽しかった」、「また開催してほしい」という感想をいただくと、「やってよかった」と思います。
 また、我々にとって、組合員同士が交流できる場を提供できていることも成果のひとつです。労連傘下の単組合同でセミナーを開催し、その後懇親会をしたり、オルグと一緒にセミナーを開催したりすることで、交流が深められていると感じています。
 
― 今後の取り組みや目標についてお聞かせください。
熊谷:

参加者の皆さん。講師の話に真剣に耳を傾けています

 一番の目標は、メンタルヘルス疾患に陥る方を一人でも減らすこと。そのために、カシオ労連のなかでは、引き続きオルグと一緒にセミナーを続けていきたいです。また、現在はカシオ労組の田端書記長と二人で講師をしていますが、他の執行委員にも指導者資格を取得してもらい、各拠点で独自にセミナーを実施できるような体制ができたらと思っています。
 外部、内部問わず、参加者の皆さんからさまざまな意見や感想をいただくので、それらをもとにセミナーの質をさらに高めつつ、自分自身の成長にもつなげていきたいです。
 

― お話を聞き、ぜひセミナーを受けたくなりました。ありがとうございました!
(取材日:2017年2月8日)
 
カシオ関連労働組合連合会
1985年6月、カシオグループ会社において組織されていた企業別労働組合を結集し、グループ全体の「労働諸条件改善」を目的に結成。8組合4支部、約3,000名で活動中(2017年2月時点)。本部所在地は東京都立川市。

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