企画のためには手間暇かけて情報収集!
組合員の“気づき”と“きっかけ”づくりのイベント
― 企画内容はどのように決めているのですか?
樋口:
初めての場所に行ったり体験をしたりすることで、新たな気づきや自分にない視点が見つかります。
そのため、“一人では行きづらいけれど、組合のイベントだったら行ける場所や体験”をメインに考案。
執行委員会で話し合った後に、組合員の代表
30名程で構成される評議員会の了承を得るのですが、なかにはボツになった企画もありました(苦笑)。
セミナーやイベント後に集約したアンケートや、普段の会話のなかで出た意見から実現した企画もあります。たとえばプレミアムフライデーが始まった頃に、「組合でもプレミアムフライデーに何かやってほしい」という声をいただき、東京ドームの野球観戦を開催しました。
― 他に、企画探しで心掛けていることやコツなどがあれば教えてください!
向井:
上部団体であるUAゼンセンや、組合同士の“つながり”を大事にしています。JALの機体整備場見学やキリンの適正飲酒講座&一番搾りアカデミーも、組合活動を通してできたつながりで実現できたイベントです。参加者からはどちらも大好評でした。次回実施予定のウィスキーセミナーも、サントリー労組に知り合いがいる執行委員のつながりがきっかけです。加えて、コンサルティング会社などが開催している展示会や無料のセミナーにも積極的に参加しています。企画を立案するうえで大事なのは、24時間365日アンテナを立て、チャンスを求めて面倒臭がらずに足を運ぶことではないでしょうか。日常の至るところにヒントは転がっていますから!
― 開催日時や時間帯などで工夫されていることはありますか?
向井:
基本は平日の夜に行っていますが、時短勤務の組合員は参加できないので、ランチタイムに開催するイベントやセミナーもあります。
夫婦やご家族が参加できるイベントは土日に行うことが多いですね。これまで、肉まん・餃子づくり体験や、バーベキュー&地引網を実施。バーベキューは組合員同士の交流をメインに、東レ労組鎌倉支部や付き合いのある他労組と合同で行いました。
― 組合員やその家族だけでなく、管理職などが参加されることもあるとうかがいました。
樋口:
基本は組合員メインですが、人数の上限がない場合などは、管理職や派遣社員、関係会社の方に参加していただくこともあります。組合費を使っているので、以前は「組合費を払っていない人が来るのはどうなの?」という声もありましたが、みんなが参加できるほうが職場の雰囲気は良くなりますし、組合活動への理解も得られることから、今では非組合員の方に参加いただくイベントやセミナーも多いです。ただし、プラスで参加費をいただくなど、組合員と多少の区別をつけることもあります。
― 組合が、良い職場環境づくりにも一役かっているのですね! HIイベントを通してイベントやセミナーの回数、企画の幅を広げ、得られたことはありますか?
樋口:
今までは決まった方の参加が多かったのですが、最近は初めて参加してくれる組合員が増えました。
少しでも興味を引く部分があれば、それまで関心がなかった人も参加してくれるという手ごたえを感じましたね。私自身たくさんの組合員と知り合うことができましたし、皆さんに組合活動を知ってもらうきっかけになったのではないでしょうか。
向井:
<おいしいコーヒーの淹れ方セミナー>に参加した女性組合員で、旦那さんも東レで働いている方がいました。
旦那さんは単身でメキシコに赴任しており、女性もセミナー参加後にメキシコに行かれましたが、その後旦那さんから、「妻がコーヒーセミナーに参加したおかげで、メキシコでもおいしいコーヒーが飲めます」という御礼のメールが届きました。わずかながらでも、海外にいる組合員にも貢献できたことは嬉しかったですね。
― 今後の計画についてお聞かせください。
向井:
東北復興支援ツアーやランニングセミナー、意外(!?)と若手組合員の参加が多かったゴルフセミナーなど、継続希望の声があがっているイベントが数多くあります。HIイベントが終了しても、以前から開催しているワークライフバランスの促進につながるセミナーやライフプランセミナーと併せて、今後も組合員の皆さんに、気づきやきっかけが提供できるイベントやセミナーを開催していきたいです。
樋口:
組合員の皆さんからは、他労組との交流を求める声もあります。今後は親睦を深める機会も増やしていきたいですね。
― ありがとうございました!
(取材日:2017年11月10日)
東レ労働組合(東京支部)
1946年結成。東レ労働組合約8,500名のうち、東京支部は、組合員約930名で活動中(2017年11月時点)。本部所在地は東京都中央区。上部団体はUAゼンセン。