賀川豊彦賞 創設

2016.4.22【現場レポート

「賀川豊彦賞」を創設
労働組合の社会活動を認知させる場に

 賀川豊彦(1888~1960年)は、我が国の“協同組合の父”と呼ばれ、スラム街での救貧活動からはじまり、労働運動、農民運動、平和運動など、幅広く社会改革運動に取り組んできました。公益財団法人賀川事業団雲柱社では、2016年4月に「賀川豊彦賞」を創設しました。貧富の格差、相互精神の希薄化などの社会のひずみのなかで、国や地域社会の将来を展望し、先駆的なプロジェクトを立ち上げ、社会活動を展開している団体(労働組合、協同組合、社会福祉法人、NPO法人、NGO任意団体など)もしくは個人を顕彰することになりました。

“協同組合の父”と呼ばれる賀川豊彦

 賀川事業団雲柱社の亀井隆常務理事・事務長は、賀川豊彦賞の創設にあたり、労働組合に向けて次のようなメッセージを送ります。
「賀川豊彦は『防貧』対策として、労働組合(当時友愛会)、農民組合、協同組合などの運動に取り組みました。現在の資本主義社会は100年前と根本的に同じで、貧困と格差を生み出しています。賀川豊彦は『お金』が優先される資本主義ではなく『人』を大事にする社会実現に力を注ぎました。搾取のない民主的な社会実現のために、労働組合の役割は大変重要です。賀川豊彦賞を契機に、賀川豊彦の思想をぜひ、知っていただければと思います。本年から毎年、1団体または1名の賀川豊彦賞を選考し発表を行い、賀川豊彦の思想と実践を継承していきます。現代の賀川さんが何人も生まれることで、社会改造が大きく進むものと期待しています」
 
 日本の労働組合は、企業を単位に組織化されることが多いため、雇用の確保、労働条件の向上といった企業内の問題、内向きな運動に終始してしまうことがあります。しかし、労働組合も社会的存在です。労働組合としての社会的責任を果たすためにも、社会的課題に対する取り組みをもう一つの運動の軸に据え、組織内外に存在意義を示していくことが求められるでしょう。

2016(平成28)年度「第1回賀川豊彦賞」応募要項

賀川豊彦賞を4月に創設

■対象
本賞の趣旨に沿う3年以上の活動実績をもつ団体もしくは個人を対象とします。
・国内での活動を対象とします。日本人、外国人を問いません。
・対象団体は、協同組合、社会福祉法人など公益法人、労働組合、NPO法人、NGO任意団体などを対象とします。
 
■賞金
1年に1件100万円
 
■応募期間
2016年4月1日~8月末日
 
■提出書類
以下の必要書類を、郵便(簡易書留)にて事務局に提出してください。応募は自薦、他薦を問いません。
①賀川豊彦賞申請書別紙
②申請団体の定款または規則・規約
③申請団体の前年度の事業報告および決算書
④申請団体の役員または構成員の名簿
 
※応募要項の詳細は、「賀川豊彦記念 松沢資料館」のホームページ(http://zaidan.unchusha.com/kagawa_award/award_entry)よりご確認ください。

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